あ い さ つ
研究推進委員会委員長:平川和文
皆さん、こんにちは。それでは、ただいまより、発達科学ワークショップ「文系・理系共存型学部における教育、研究のあり方をさぐる」を開催いたします。このワークショップの主催であります研究推進委員会を代表しましてあいさつさせていただきます。
今日は、4名の講師の先生にまず講演していただきまして、続いて、ディスカッションしたいと思っております。後ほど、本テーマの詳しい内容に関しまして、企画提案者グループを代表しまして、蛯名先生に趣旨説明をお願いしたいと思っています。
最近、入試で私学の宣伝が多くなされております。そこに気がつくことですが、「人間」とか、「文化」とか、「環境」とかを学部あるいは学科名にしている大学が非常に増えてきております。我々の発達科学もその一つかと思いますけども、今回はそのような融合型あるいは総合型学部における教育、研究のあり方というのを考えたいということです。
学生から聞く話ですが、 就職面接で「発達科学部は一体何をしてるんだ」というような質問をよく聞かれ、どう答えたらいいのか困るとのことです。この問題は発達科学部がどういう学生を育てようとするのかという、大切な問題かと思います。
また、研究推進委員会が発行する学部紀要ですが、今回も32編エントリーがありましたけども、そのほとんどが各コースまたは講座単位の論文であり、講座間をわたっての、いわゆる学際的、融合的な論文はまだ少ないというのが現状であります。
文系・理系融合型の大学は、関西では大阪大学の人間科学部が約30年前に設立されております。本ワークショップテーマは、そういう古くからのテーマでありながら、まだどのような方向というものもはっきり見えていない新しい問題かと思って、企画いたしました。
4名の講師の先生を少しご紹介します。まず最初に、伊東敬祐先生を、理学部からお招きいたしました。伊東先生は、地球惑星科学科の先生であります。資料にも書いてありますが、自然科学の人間科学化というところで、共存を進めるという立場のお話があるかと思います。続きまして、本学部の発達基礎論講座の佐藤有耕先生から「総合型学部への期待に対するためらい」というテーマでご講演願います。総合学部に対する期待、または社会の要請は確かにあると思いますけども、いざ、自分がそれに対応するとなったときには、まだためらいが先に立つというような、何か我々多くのスタッフが今抱えているような気持ちかと思います。
3番目に、発達科学部の造形表現論講座の小高直樹先生から「文系・理系の融合的研究を可能にするもの」というテーマで、一つの方向が提案されるのではないかと思っております。最後に、教育科学論講座の三上先生より「現状の肯定的な評価から出発、共同の制度の充実に向けて」というテーマでご講演があります。三上先生は、大阪大学の人間科学部にもおられまして、そういう現場から、また、自分が実際、授業、演習等を通しての文・理融合の可能性が、聞けるかと思います。
今日のワークショップで結論ということは無理かと思いますけども、これが今後の発達科学部の文系・理系の新しい一つの学問体系をつくる上でのきっかけになれば幸いと思ってます。活発なご討論をお願いいたします。