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教員新刊紹介

もくじ
  1. 『現代日本教師的養成』
  2. 『当代社区教育新視野』

『現代日本教師的養成』

表紙イメージ

[著] 土屋 基規 (上海教育出版社、2004年5月)

本書は、著者の戦後日本の教師養成・免許、研修制度に関する著作を基礎にしながら、21世紀の学校改革と教師養成の課題についての論稿をまとめた中国語版での出版です。

本書は、第一部 21世紀の学校と教師、第二部 教師養成、資格制度の改革、第三部 教師養成、研修制度の改革、付録 基本資料、戦後日本教師教育年表等から構成しています。

本書の出版が実現できたのは、本学の留学生と協定校の華東師範大学の教授の尽力によります。大学院教育学研究科および文化学研究科を修了し、ともに博士の学位を取得した鮑良さんが原稿の中国語訳に、呉遵民さんが上海教育出版社との折衝に積極的な役割を果たしてくれました。これはとても記念すべきことだと思います。

また、華東師範大学に置かれている中国教育部直轄の基礎教育改革与発展研究所の所長で中国教育学会副会長でもある叶瀾教授が、今回、特別に序文をよせてくださったことも特筆すべきことです。それは、私がこの研究所の特別研究員であり、叶教授とは2002年秋の訪中の際、数時間にわたる「世紀の対談」を行い、21世紀の教育の展望を語り合うという交流を深めてきたからです。

中国でも教師の問題は重要課題ですので、本書が日中の教育文化交流に貢献し、中国の教育関係者に何らかの参考になることがあれば幸いです。

(土屋 基規: 教育科学論講座)

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『当代社区教育新視野』

表紙イメージ

[著] 小林 文人、末本 誠、[訳] 呉 遵民 (上海教育出版社、2003年)

本書は、社会教育問題についての研究で、日中両国の3世代の学者が共同企画し、執筆した書籍です。

本書は4部に分けられており、第1部は中国学者の中国社会教育理論と実践についての研究となっています。第2部と第3部では日本の社会教育研究者がグローバルな視角で、生涯教育時代における日本と東アジアの社区教育 (社会教育) の発展と現状について理論的研究を行っています。第4部には中国、日本及び世界各国の社会教育の実践レポートが収録されています。

両国の学者は、各自の視角から比較研究の手法で、中日社会教育の形成、発展、現状、課題などについて検討し、中日社会教育の歴史、中国社会教育の実践の中での機能的内容 (「社区区民」への職業技術教育の提供) と非機能的内容 (「社区区民」の文化と余暇に関わる教養教育) についても研究交流しています。また、日本での社会教育基礎理論の研究状況や関連法律の整備、全世界での社会教育、学習型社会、生涯教育の先進理念についても交流を行っています。

上海では、「二級政府、三級管理」の新しい都市管理体制を取り入れ、「街道」を拠点とした地域づくりが都市建設の課題となっています。それゆえに、社会教育は政府や教育関係者の注目を浴びるところとなっています。

こうした状況で、中国の研究者や現場の実践者は先進的理念を受け入れ、外国の具体的実践の経験を吸収し、問題点を補い、発展を図ることが必要とされてきました。

この点で、本書はその意義が中国で評価されており、同書の先進的理念と現場のレポートは中国の社会建設に理論的依拠と実践的経験をあたえてくれるものと着目されています。

(末本 誠: 成人学習論講座、呉 遵民)

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