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発達科学シンポジウム「大阪湾 ―その水質と埋め立て―」
報告まず、本シンポジウム第I部、大都市の埋め立てのセクションでは、1987年の千葉県東方沖地震や、1995年の兵庫県南部地震で起こった現象の研究から、埋立地では、護岸で遮蔽されているので、地下水位が上昇しやすく、液状化や流動化が起こりやすいことが指摘された。ビルが沈下した例や、逆に、ガソリンスタンドの地下タンクが地表に浮き上がってしまった例などが数多くの写真で紹介された。 関西空港の地盤沈下が予測をはるかに越え、現在もなおつづいている原因については、沖積層の圧蜜沈下量はほぼ予測どおりであったものの、その下部の洪積層の圧蜜沈下が予測をはるかに上回ったためであることが指摘された。加えて、いま造成中の神戸空港の動向が懸念された。 神戸空港は活断層の上に建設されており、また、非常に深い海域を埋め立てているので、液状化や、予測を越える洪積層の沈下が起こる可能性がデータで示された。 本シンポジウム第II部、水質のセクションでは、3ヵ年にわたる観測の詳細なデータを通して、すでに完成した神戸空港の護岸が、明石海峡からの良好な潮流を妨害して、護岸の東側から湾奥にかけての海域の海洋環境を破壊してしまったことが讃岐田によって明らかにされた。 また、大阪湾全体については、現在も巨大な埋め立て工事が続々とつづいており、世界中のどこの港にも例を見ない、異様な状況であることが指摘された。 そのほか、大阪湾でのさまざまな環境汚染の例も紹介され、参加者は、多くの市民をまじえて、文系、理系を問わず、充実したシンポジウムを共有することができた。 シンポジウム当日のプログラムシンポジウム当日のプログラムは、発達科学シンポジウム「大阪湾 ―その水質と埋め立て―」に掲載しています。 |