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第157回自然環境論セミナー
「基礎物性物理学に基づいた環境保全技術開発の取り組み ―誘電加熱による廃プラスティックの脱塩素化―」

開催について | プログラム

開催について

日時 2006年7月5日 (水) 15:10〜17:10
会場 神戸大学発達科学部 B104 (B棟1階)
対象 どなたでも参加できます。
参加方法 当日、直接、会場へお越しください。
参加費 無料
主催 神戸大学発達科学部人間環境科学科 自然環境論講座
連絡先 メール: ebina@【続けて「kobe-u.ac.jp」を入力してください】 (蛯名 邦禎 (発達科学部 自然環境論講座))

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プログラム

プログラムについては <http://neweb.h.kobe-u.ac.jp/seminar/seminar157.html> もご覧ください。

講演タイトル 「基礎物性物理学に基づいた環境保全技術開発の取り組み ―誘電加熱による廃プラスティックの脱塩素化―」
講師 丑田 公規 A、岡本 吉史 B
(A: 理化学研究所・環境ソフトマテリアル研究ユニット、B: 理化学研究所・情報基盤センター)
概要
講演1: 誘電加熱を用いた混合廃プラの脱塩素処理: 実験的アプローチについて (丑田 公規)

廃プラスティックは、製鉄所の高炉で石炭の代用物としてリサイクルされているが、高炉設備を損傷しないために、あらかじめ脱塩素処理を行わなければならない。従来は輻射加熱や摩擦加熱による処理方法が用いられてきたが、含有する塩素の量によって除去効率が一定せず、処理制御が難しい上に、長時間の加熱は有害物質をさらに増大させる可能性がある。全体の4分の3を占める主要プラスティックの中ではポリ塩化ビニル (PVC) のみが塩素を含むが、他のプラスティックに比べて誘電加熱効率 (誘電損失係数) が高く、マイクロ波により選択的に加熱することが出来ると考えた。この方法によると無分別のプラスティックを短時間で処理することができる可能性がある。本研究では、マイクロ波を使った誘電加熱による脱塩素実験、およびプラスティックの基礎物性測定実験について詳細を述べ、この処理方法の高度化に向けた戦略を、基礎物性物理学の原理的考察から検討し、さらに高効率な処理方法を設計する基礎としたい。

講演2: 誘電加熱炉設計のための電磁波・熱伝導連成解析手法の高度化 (岡本 吉史)

塩化ビニル樹脂が含有されている廃プラスチックを脱塩素処理する場合、従来の輻射加熱法では、塩化ビニル樹脂以外のプラスチックも加熱されるため、ダイオキシン等の有害な化学物質の発生が危惧されている。塩化ビニル樹脂の電磁波による誘電加熱効率を示す数値 (誘電損失係数) が、他のプラスチックよりも高いことを利用すれば、塩化ビニル樹脂のみの加熱が可能となり、廃プラスチックの分別コストの低減、安全性の向上、低エネルギー化の各観点から、実用化の利得が極めて高い。このような電磁波を用いた廃プラスチックの高効率リサイクル誘電加熱炉設計のためには、被加熱体 (廃プラスチック) の最適形状、共振器の寸法、ならびに、ターンテーブルやステラファン等を用いた一様加熱化装置の詳細な検討が必要となる。本研究では、上記のような高効率リサイクル誘電加熱炉を実現するため、実機設計に対して十分耐えうる電磁波・熱伝導連成解析 (シミュレーション) 手法を提案する。提案手法は、離散化形状の自由度が高い三次元有限要素法を根幹とし、温度に対して非線形に変化する被加熱体の複素誘電率の考慮が可能で、なおかつ、ターンテーブルやステラファンのような、共振器内の特定領域の回転運動を厳密に考慮することができる実用的な連成解析手法である。本セミナーでは、提案した電磁波・熱伝導連成解析手法の詳細を工学的な視点から論じることで、提案手法の新規性、有用性について説明する。

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