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第148回自然環境論セミナー
開催について | プログラム
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日時 | 2006年3月20日 (月) 15:30〜17:00 |
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会場 | 神戸大学発達科学部 G302 (G棟3階) |
対象 | どなたでも参加できます。 |
参加方法 | 当日、直接、会場へお越しください。 |
参加費 | 無料 |
主催 | 神戸大学発達科学部人間環境科学科 自然環境論講座 |
連絡先 | メール: tanaka2@【続けて「kobe-u.ac.jp」を入力してください】 (田中 成典 (発達科学部 自然環境論講座)) |
プログラムについては <http://neweb.h.kobe-u.ac.jp/seminar/seminar148.html> もご覧ください。
講演タイトル | 「生命とは何か ―メタ生物学への招待―」 |
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講師 | 村瀬 雅俊 (京都大学基礎物理学研究所、専門: 生命意味論、メタ生物学、生命基礎論) |
1980年代前半、私は生体システムの運動が‘如何に’生じるのかという疑問に答えるため、モデルを造ってそのモデルを論理的に解析することに満足していた。ところが、1987年にデューク大学に留学した際、生体システムの特定運動モードが‘何故’生じるのかという疑問に直面し、論理的思考だけでは解決できないというジレンマをしばらく経験した。幸いにも、この留学期間中に、ある種の直感によって先の疑問を解決することができた。それは、拙著 "The Dynamics of Cellular Motility" (John Wiley, 1992) として出版した。
その後、私は生命現象を模倣する単なるモデル造りではなく、現象の意味を探り、その意味を提示していくことに重点を置いて研究をすすめてきた。その内容を、拙著『歴史としての生命 ―自己・非自己循環理論の構築―』 (京都大学学術出版会、2000年) として、まとめることができた。2001年、私は全く予測不可能な事態に直面し、何が問題なのかを明らかにする必要に迫られた。こうした場合、私たちの得意とする論理的思考はほとんど役に立たないのである。認識とは何かという問題を再認識する上で、得がたい経験であった。
セミナーでは、こうした四半世紀におよぶ自らの体験を踏まえた上で、具体的な生命現象について解説を加えながら、いわゆるメタ生物学の醍醐味を肌で感じていただけるよう工夫をこらしたい。予備知識は一切必要としない。したがって、生命とは何かという人類にとっての永遠のテーマに興味を持つ多くの方々の参加を心より歓迎する。