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お助け心理学

城 仁士

もちろん造語であるが、日常生活で起きている問題を心理学で解決しようというわれわれ生活環境心理学研究室の研究スローガンとなっている。従来の心理学が個人の心理を外部環境から切り離し独立したものとみなしてきたのに対し、『生活環境心理学』では人の意識や行動は集合性であり、その集合性は生活環境と相即的、同時的なものと捉える。このような考え方を基礎にしながら、社会につながる研究として現在2つのテーマに取り組んでいる。

これからの高齢者福祉環境の創出
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ユニットケアを早期に導入した特別養護老人ホーム「高槻けやきの郷」の外観

この研究は、1999年6月、向日市において新しい高齢者福祉モデルを検討するプロジェクト「エイジングラボ」を発足させたところから始まった。現在、いくつかの特別養護老人ホームと協同して「ユニットケア」の問題点を洗い出し、これからの介護サービスや福祉環境をどのようにしていったらいいのかを探求している。この研究は、平成13年-15年の科学研究費補助および平成16年度発達科学部研究助成により地域一体型の新しい介護福祉環境とそのサービス体系を研究対象にしてきた。写真は2年前に高槻市に設置されたユニットケア型の特別養護老人ホームであり、われわれは上述の研究成果を持ち寄り立ち上げに参加した。また現在、平成17年-19年度の科学研究費の助成をもとに、集団ケアから個人の尊厳にもとづくユニットケアへの環境移行を取り上げ、移行研修プログラムの開発に取り組んでいる。

高大連携による高校生のキャリアサポート事業の創出
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高大連携事業「キャンパストライやる」での「生活環境心理学」の授業風景

この事業は大きく2つに分かれる。1つは高校同窓会による在校生のためのキャリアサポート情報システムの構築事業。2つめは神戸大学の生の授業に参加して自分の進路を確かなものにする「キャンパストライやる」事業である。後者はキャリア教育の一環として、生涯にわたるキャリア形成に結びつく進路決定の一助になるよう企画されたものである。この取り組みは、発達科学部と県立高校との高大連携事業として平成10年から実施しており、今年で8回目をむかえた。はじめの2年間の公開授業は、発達科学部だけで行ってきたが、平成12年からは、工学部、国際文化学部、理学部を加えた4学部、また、年によっては理学部をのぞく3学部で実施されている。神戸大学の先生方のご協力のもと、現在でもこの事業は継続中である。

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