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アート・ミーツ・アクアリウム in 須磨2006 海浜水族園での展覧会が大反響現在、須磨海浜水族園で立体造形ゼミ3年生による展覧会「さかなぐらし」が開催中である。(2006年1月2日 (月) 〜 4月11日 (火) まで開催中) この展覧会は、「一人暮らしの生活に、ある日魚がやってきた」という設定で、部屋の様々な生活道具に実際に生きた魚が水槽とともに仕組まれていたり、また作った魚のオブジェなどをいろんな場所に仕組むことで、覗いたり開けてみたりといった発見のゲーム感覚で楽しめる設定にもなっている。子どもたちには大受けで、触る遊ぶ、作品は傷むの繰り返しで、水族園スタッフ、ゼミ生は大変である。しかし意外にも実際にほしいという声が聞かれたり、子どもたちだけでなく大人にも受けているようである。(須磨水族園ホームページ、特別展「さかなぐらし」情報 <http://sumasui.jp/cont/cont01/info/info-242.htm>) この企画は昨年水族園の学芸員の方から相談があったもので、魚にまつわる美術作品や芸術表現を展示したいというものだった。水族館も運営的には厳しい状況の中、いわゆる飼育と展示といった旧態依然としたものだけでなく、新しい試みを入れていこうとするスタッフの熱意とアイディアによるものだという。私は、広くアイディアを公募するコンペを開催してはどうかと提案し、資料や情報を提供した。企画は採用され、私も審査員として加わった。ただ準備期間が2ヶ月しかなく、またそれに先立つ周知期間も少ないという状況で応募が集まるかどうか気掛りな事だった。発案者の責任上、立体造形ゼミからもアイディアを提案する事となった。結果3点の応募があり「さかなぐらし」が選ばれた。 審査の段階では、本当にこれが出来るか、かなり突っ込んだ議論を行なった。最終的に最も大変なこのプランで行く事になったのは、作家側と水族園との協働作業、プロセスの共有こそ相応しいという判断だった。技術的にも作業的にも期間的にも多くの問題があった。これらを一つ一つ解決しながらやらねばならなかった。事実、学生はクリスマスも正月も無かった。期日に間に合うかどうか水族園スタッフにも相当の苦労と心配をかけていた。 オープン当初、朝日新聞 (全国版) 青鉛筆欄で「魚がかわいそう」と書かれてしまった。記者に他意はなく、ただ編集上の都合で書かれた文面であったが、直後「動物虐待」というメールが水族園と市に数通届いた。学芸員は一つ一つのメールに返信する形で内容を説明し、理解を得る対応に追われた。私は中止という選択肢も視野に入れた。けれども批判は全て記事の文面からの推測であり、実際に見た人からはそのような意見は出ていない。むしろ逆である。水族園から続行の知らせが届いた。 この出来事があって、私たちなりの対応を練り直す事につながり、その後は新聞各紙、テレビ、ラジオなど多くのメディアで取り上げられ、成功裏に推移しています。最後に、このプロジェクトは、使用する魚を選ぶ事から管理まで、裏方としての水族園スタッフのプロの専門性と努力によって支えられ実現した事であることを申し添えます。 |