ホーム > 学部の動き・学術情報 > 社会貢献レポート > 2005年度後半 >

update: 2005年11月28日 | サイトマップ | よくある質問 (Q&A) | 検索 (Search)

教育課程実施状況調査に参加して

目黒 強

子どもの学力低下がマス・メディアを賑わしている。とりわけ、国際比較調査のPISA2003年調査の結果を受けて、ますます危機感が募っているようだ。偶然、同時期に国立教育政策研究所による2003年度教育課程実施状況調査 (小学校国語) に、問題作成委員・結果分析委員として参加する機会を得たので、レポートすることにしたい。ちなみに、本学部の高橋正先生が同調査 (小学校算数) のメンバーであったことを申し添えておく。

各種データは、<http://www.nier.go.jp/kaihatsu/katei_h15/index.htm> にて公開されているので、ご覧いただければと思う。

この度、教育課程実施状況調査 (小学校国語) に参加して、読解力の範囲について考えさせられた。たとえば、PISAの読解問題には図表等の非連続テキストの読解やクリティカル・リーディングが含まれているが、このようなタイプの読解は従来の国語科では取り組まれてこなかった。本調査では、説明的文章の読解における資料の解釈等について、PISA調査と同様の課題が指摘されている。現在、本学部附属住吉小中学校および明石小学校等の先生方と共同研究に取り組んでいるので、本調査で学んだことを還元できればと思う。

ところで、本調査では質問紙調査を実施しているのだが、「文学的な文章を読むこと」という質問について興味深い結果が出ている。教師の7割前後が「児童にとって興味を持ちやすい」活動であると考えているのに対して、上述の活動が「好きだった」と回答している高学年の児童は3割強しかいない。2001年度調査でも同様の傾向が認められたことから、読書活動の支援の必要性を痛感した。

サイトイメージ
子どもの本 いま・むかし

近年、取り組んだ試みとしては、(財) 大阪国際児童文学館デジタル・ミュージアム「子どもの本 いま・むかし」 <http://museum.iiclo.or.jp/> がある。独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センターの助成を受け (2003年度子どもゆめ基金教材開発・普及助成活動)、インターネット上での子どもの読書活動の支援を目指したものだ。他には、本学大学院総合人間科学研究科HCセンターの伊藤篤先生が担当する子ども・家庭支援部門の研究協力員として、本学部附属幼稚園の保護者が主催する子育て支援ワークショップで、絵本のストーリーテリングについての企画を予定している。

▲ページ先頭へ

ホーム > 学部の動き・学術情報 > 社会貢献レポート > 2005年度後半 > 教育課程実施状況調査に参加して
© 神戸大学発達科学部 | お問い合わせ先・所在地一覧・地図 | リンク集