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私の役目はプロとアマチュアの接点 〜のじぎく兵庫国体に関わって〜

斉田 好男

本年 (平成18年) 9月30日から開催される「兵庫国体式典専門委員会」を立ち上げるため力を貸してほしいと、県の国体準備委員会 (現在の国体局) から要請されたのは平成13年春のことであった。そんな先のことは (元気でいるかも) 分からないというのが私の気持ちであったが、吹奏楽界・合唱界、双方に深く関わっている珍しい指導者は私くらい、という口説き文句により、音楽関係のまとめ役という意味で副委員長として参加することとなった。その2年後には並行して各部門が独立した会議を持つようになり、式典音楽部会長として現在に至っている。もちろんのことであるが、これらの委員は全員報酬なしのボランティア参加である。

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国体の吹奏楽録音
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国体の合唱練習

式典専門委員会の主な内容は、式典の基本構想策定から始まり、愛称・標語、開・閉会式の式典次第の作成、各部会のメンバー、それらから出される各案の最終案作成などである。愛称は県花から「のじぎく兵庫国体」、標語の「“ありがとう”心から・兵庫から」は、震災時の全国からの暖かい支援に対する感謝の気持ちとともに、震災から学んだ「人と人との絆」を大切にした新たな出会いと交流の場となる願いも込められている。

式典音楽部会の任務は、式典音楽の方向性の決定、作・編曲者、音楽隊出演団体および指揮者の選定、変わったところでは音楽隊ユニフォームデザインの選定などというのも。当学部の田村文生先生には作曲者としてお願いした。当日は私自身も指揮者として参加することになってしまったが、斬新なファンファーレが鳴り響くことであろう。部会長個人としての役目は、作・編曲された音楽の調整、試奏会や式典音楽使用曲集CDの制作にあたっての監修など。CD制作では世に出すためミックスダウン (いわゆる切り貼り) という作業をするが、そのため丸2日間ほどスタジオに缶詰というハードスケジュールを懐かしく思い出す。

こういったものは私の関係するオペラなどと同じとつくづく感じた。本番だけを観ていると華やかな世界のように見えるが、それ以前に長い間、時間をかけて様々な準備がなされていること、(本番の楽屋裏も含め) 観客には見えないところで多くの人々の手によって作りあげられていること。集団パフォーマンスの魅力は本番を終えた時、表方も裏方も同じように感じる一体感と言ってもよい。

私の社会における務めは、できるだけ多くの人々に音楽の魅力を知ってもらい、よい経験をしてもらうことと思っている。プロとアマチュアの接点が私の居場所といってもよいだろう。一流の演奏家による講習会の企画、プロとの関わりのみでなくアマチュア演奏団体の棒を振ることも多い。多くの人が音楽に親しみ、好きになり、できれば参加し、その上で可能な限りレベルを向上させ、よいものを作り味わう、それは同時に私の楽しみでもあるのだ。

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